第七章 漆喰の劣化が与える瓦屋根への影響

瓦屋根

瓦屋根には漆喰が使用されていますが、何らかの原因で漆喰が劣化してしまうと、瓦自体がずれてしまったり雨漏りの原因となる可能性があります。
瓦屋根が雨漏りするようになった場合には、必ず漆喰をチェックする必要があります。
屋根に使用されている漆喰は見た目を美しくするだけではなく、棟下地の葺き土を保護する役割も担っています。漆喰は石灰が主成分の白い粘土状のもので、雨水の浸入を防ぐ効果があります。
漆喰は雨水によって葺き土が浸食されることを防ぐ役割だけではなく、白くきれいな見た目にするという役割も担っています。
漆喰がはがれる原因は経年劣化によってひび割れが発生し、葺き土と漆喰との間に隙間ができてそこにあ雨水が浸入してはがれが起こります。
以前は葺き土と漆喰を使用していましたが、近年んでは南蛮漆喰1種類で仕上げる施工方法が一般的となっています。
南蛮漆喰1種類で施工することで、隙間ができることはありませんから、雨水による浸食もわずかで、瓦の耐久性に近い寿命が期待できます。
瓦屋根に使用されている漆喰は優れた効果がありますが、経年劣化によって塗り直しを行う必要があります。漆喰は加湿や除湿の機能のほかにも、抗菌作用ももっていますから、生きている材料ともいえます。
瓦屋根に使用される漆喰は、年々硬くなっていくため柔軟性がなくなりはがれ落ちてしまいます。風雨や地震によって劣化した漆喰は、徐々にぼろぼろになり瓦屋根がずれたり落下する原因にもなってしまいます。
こうなると大変危険ですから、漆喰のはがれを補修したり、塗り直しを行う必要があります。

漆喰は屋根剤の中でも外部から見えにくい部分ですから、素人では劣化を判断するのが難しいといえます。そのため専門の業者に状態を見てもらい、チェックをしてもらうようにしましょう。
漆喰の塗り直しは、既存の漆喰をはがしてから行います。この作業は職人の腕がはっきりと現れますから、腕の良い職人がいる業者に塗り直しを依頼することが大事です。
中にはDIYで漆喰の塗り直しをする人もいます。一見すると古い漆喰をはがして塗り直すという簡単な作業のように思うかもしれませんが、下準備に時間がかかりなかなか作業が進まない場合も少なくありません。
ごく一部の補修であれば自分でも補修することができるかもしれませんが、漆喰の塗り替えとなると足場を組んで作業を行う必要がありますから、専門の業者に依頼しましょう。
屋根の上は思っているよりも高く危険な場所ですから、落下する危険性もありますし、素人が漆喰を塗りすぎたり瓦を割ってしまい、雨漏りの原因を生み出す場合もあります。

漆喰の補修費用は思っているよりも高額で、足場代が15~20万円、塗り直しに20万円~40万円の費用がかかります。塗り直しは葺き土が見えるまで漆喰をはがし、整えて湿らせてから漆喰を定着させていきます。
この塗り込みは熟練の技が必要になりますし、多めに塗ると漆喰が雨水で崩れる原因にもなりますから、熟練した技術をもった職人に依頼することが、家を長持ちさせるためには必要となります。

昔ながらの日本式住宅には日本瓦が使用されています。この瓦屋根をつないでいるのは漆喰で、時間の経過とともに劣化してしまいます。
漆喰がはがれたり割れてしまうとその部分から雨水が浸入することになりますから、定期的にメンテナンスを行うことが大切です。
漆喰を隙間なく均一に塗るためには、適量を塗ることが大切です。
技術が未熟な職人の場合、見た目をよくするために多めに漆喰を塗ってしまいますが、その場合本来の箇所よりもはみ出てしまい雨水があたって漆喰を崩す原因になってしまいます。
漆喰は専門のコテを使用して表面をならし、雨仕舞いを考慮して適量を塗っていきます。本物の漆喰は何工程もの作業が必要になりますが、南蛮漆喰は1工程で仕上げ作業までを行うことができますから、近年は南蛮漆喰が主流となっています。
少しの補修であれば自分でできると思ってしまいますが、実際にやると補修作業よりもむしろ下準備の方が手間がかかります。屋根の上での作業となりますから、足場を組み立てたり専用の工具を準備するなど下準備には手間がかかります。
また素人が屋根にあがると、漆喰を塗りすぎたり瓦を割ってしまい雨漏りの原因を新たに作ってしまう可能性がありますから、補修は専門の業者に依頼するようにしましょう。

一般的に屋根漆喰の補修価格は、40~70万円となっています。
もちろんこれよりも安い業者は存在しますが、あまりにも安すぎる場合はアルバイト職人による雑な作業を行っている可能性もありますから、事前に複数の業者から見積もりをとり、信頼できる業者かどうかを調べておきましょう。
漆喰補修には豊富な経験と屋根の構造知識が必要となるため、職人の人件費が高くなります。また屋根の漆喰を補修するためには足場も必要となるため、足場代もかかりますから、どうしても費用は高額になってしまいます。

私は実家が大田区にありますが、一度街の屋根やさんという施工会社に相談をし点検をして頂いてうえで工事を依頼しました。結果30万円ほどで漆喰補修が出来たということもありますので数社へ見積もりを依頼するというのも一つの手ですね。